| ◎解説
色川武大、武豊、宮沢りえ、松井秀喜・・・異能の人たちの横顔を綴った、ファン待望の文庫オリジナルエッセイ!
「ナイスボール」と私が言うと、陽水さんが笑った。
少年のような笑顔だった。少しずつ球威を増す、陽水さんのボールを受け捕りながら、段々、こちらも嬉しくなった。懸命に投げていることが伝わって来るし、それ以上に暴投をしまいと気遣ってくれていた。
――偉いナ。
と思った。冬であったが、二人とも汗を掻き、夕陽に染まる東京湾を眺め、笑い出した。(「井上陽水のキャッチボール」より)
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