◎解説 愛しい妻は癌に冒されていた。その現実から逃れるように夜の街へ出た「私」が、病室に戻って妻と眺めた月は……。何気ない会話の中に潜む情愛。平成3年、第12回吉川英治文学新人賞を受賞し、作家としての評価を確立した、珠玉の短篇集。表題作のほか、「くらげ」「残塁」「桃の宵橋」「クレープ」の全5篇を収録。 解説・小池真理子