| ◎解説
生きていることは、誰かを待つこと、愛おしいものを見続けること(伊集院静)。
舞台は戦争のやまないヨーロッパの国境地帯、巡礼の道。山の石切り場で働く老人は、峠の教会跡で、草籠に入れられ、神さまの人形を持って泣いている赤ん坊を見つけました。老人は家に連れて帰り、赤ん坊を大切に育てました。長い歳月が流れ、山のふもとから峠まで、数十年間も黙々と石を並べ、道を作る汚い身なりの男がいました。ある日一人の老女が召使いとともにやってきて、男に何をしているのかと尋ねました。「教会をつくっています」と男。老女は召使いを帰し、男とともに石を運び始めるのでした。ヨーロッパの巡礼の道を舞台に、生涯をかけ、教会を建てるために健気に生きた孤児の物語。巡礼の道を熟知した作家と画家の共作が実現しました。
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